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【正しい医療用針の廃棄方法】医療用針を廃棄する前によむべき記事!

【正しい医療用針の廃棄方法】医療用針を廃棄する前によむべき記事!

高齢化や在宅医療の推進によって、医療用針を在宅で使用する機会が増えてきましたが、医療用針は自治体の家庭ごみとして出してもいいのでしょうか?

在宅、医療機関で出た医療用針は、感染性廃棄物処理マニュアルに基づき針刺し事故や、感染症予防に努め適切に廃棄しなければいけません。

そこで今回は、医療用針を安全に廃棄する方法や、在宅で医療用針を廃棄する方法や、医療施設で医療用針を廃棄する方法を合わせてご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。

医療用針は家庭ごみとして廃棄できるの?

医療用針は家庭ごみとして廃棄できるの?
在宅医療では、「インスリン、抗がん剤治療、インターフェロン」などの自己注射などにおいて医療用針が使用されます。
在宅医療で使用した医療用針を家庭ごみとして廃棄する事例が後を絶ちません。

在宅で使用した医療用針は「医療廃棄物」の取り扱いとなり、自治体の家庭ごみとして廃棄できません。
安全に考慮された廃棄方法が定められています。

在宅医療で使用した医療用針を廃棄する方法

在宅医療で使用した医療用針を廃棄する方法

在宅医療で使用した医療廃棄物「CAPDバッグ、チューブ類、自己穿刺、ペン型自己注射」などの適切な廃棄方法について日、本医師会によりガイドラインが定められています。

参考:日本医師会『在宅医療廃棄物の取扱いガイド』
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110309_12.pdf

医療廃棄物の種類により、それぞれ廃棄方法に関する注意があるため在宅医療に携わっている方は確認しておかなければいけません。

医療用針については、プラスチック等でできた堅牢な容器に入れ医療機関、薬局などで回収や処分してもらう必要があります。
また、事前に医療機関で注射針の処分について確認するようにしましょう。

地域によっては使用済みの医療用針を回収している調剤薬局もありますので、薬剤師に相談するか「注射針回収薬局」と提示されている薬局で相談しましょう。

医療機関における医療用針の取り扱いを知ろう!

医療機関における医療用針の取り扱いを知ろう!

在宅医療で使用した医療用針を廃棄する方法を紹介しましたが、次は医療機関で使用した医療用針を廃棄する方法について紹介します。

病院、クリニックなどの医療機関からは、紙屑、プラスチック、ガラス、医療用針、カテーテル、点滴バッグ、血液、体液を含むガーゼ、臓器など様々な廃棄物が出ます。

医療用針は廃棄物処理法により、特別管理産業廃棄物に分類されます。

医療用針は、針刺し事故や感染症などのリスクが高く、廃棄物処理法に基づいた感染性廃棄物の適正処理を推進するためのマニュアル「感染性廃棄物処理マニュアル」に基づき、感染防止のため慎重な取り扱いが必要です。

感染性廃棄物処理マニュアルに基づき医療用針を廃棄する方法

感染性廃棄物処理マニュアルに基づき医療用針を廃棄する方法
医療施設では下記のように廃棄物を3つに区分して管理、廃棄しています。
大阪府の医療廃棄物のQ&A(FAQ)に詳しく掲載されていますので紹介します。

  • 事業系一般廃棄物(非感染性)
  • 診察室や待合室などで発生する紙くず、繊維くず等
  • 紙ごみ、血液等の付着の程度が少ないガーゼ、包帯、脱脂綿等

感染性廃棄物処理マニュアルで定められた手術室、検査室などの排出場所において治療、検査等に使用された後、排出されたものは、3の感染性一般廃棄物となります。

処理委託先

市町村の定めるところにより事業系ごみとして市町村に処理委託又は許可のある一般廃棄物処理業者に委託(「専ら物」を除く)

□産業廃棄物(非感染性)

診察室などで発生する血液等の付着の程度が少ない廃プラスチック類、ガラス・陶磁器くず、廃酸、廃アルカリ等
(例) 血液等の付着の程度が少ないプラスチック製の容器・チューブ・手袋等、レントゲンフィルム、レントゲン廃液

ただし、マニュアルで定められた手術室、検査室などの排出場所において治療、検査等に使用された後、排出されたものは、3の感染性産業廃棄物となります。

処理委託先

許可のある産業廃棄物処理業者に委託(「専ら物」を除く)

感染性廃棄物(感染性産業廃棄物と感染性一般廃棄物の混合可)

感染性病原体が含まれ、若しくは付着している廃棄物又はこれらのおそれのある廃棄物(特別管理産業廃棄物又は特別管理一般廃棄物に該当)

なお、感染性廃棄物について、「2産業廃棄物(非感染性)」と別の形態、方式で処理する場合は、分別することが必須となりますが、分別することによる感染リスクがある場合など分別が困難な場合には、全体を感染性廃棄物として併せて処理できます。

(例) 感染性一般廃棄物(臓器、血液等が多量に付着したガーゼ・脱脂綿・リネン類)感染性産業廃棄物(注射針、メス、破損したガラス製品等鋭利なもの、血液、血液が含まれるチューブ)

処理委託先

感染性産業廃棄物の許可のある特別管理産業廃棄物処理業者に委託

出典:大阪府医療廃棄物のQ&A(FAQ)
http://www.pref.osaka.lg.jp/jigyoshoshido/report/faq_9.html

参考:環境省環境再生・資源循環局『廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル』
https://www.env.go.jp/recycle/kansen-manual1.pdf

感染性産業廃棄物は管理や、処理が安全に行われるように、性状に応じて3種類の廃棄方法が定められています。

  • 液状または、泥状のもの(血液等)赤色のバイオハザードマーク(廃液等が漏洩しない密閉容器)
  • 固形状のもの(血液等が多量に付着したガーゼ等)橙色のバイオハザードマーク(丈夫な二重のプラスチック袋又は堅牢な容器)
  • 鋭利なもの(注射針等)黄色のバイオハザードマーク(耐貫通性のある堅牢な容器)
  • テキスト

感染性廃棄物を取り扱う事業場は、特別管理産業廃棄物管理責任者を設置し、適切な処分をして事故防止に努めなければいけません。

危険!医療用針のリスクについて知ろう!

険!医療用針のリスクについて知ろう!
使用済みの医療用針が一般ごみに混入することは、廃棄物を収集する作業員や選別する作業員の事故や健康を侵害するリスクがあります。

収集された廃棄物の異物は作業員により手選別で取り除かれているため、収集物の中に医療用針といった鋭利かつ感染性の高い異物が含まれていると針刺し事故によって怪我をしてしまいます。

廃棄された医療用針に感染症の血液が付着している可能性もあり、針刺しによって怪我だけでなく感染症に罹患する恐れもあります。

「バレなければいい・処理方法が分からない」と、医療用針を家庭ごみとして廃棄することは大変危険な行為です。

安全を守ろう!医療用針は正しい取り扱いや廃棄しよう!

安全を守ろう!医療用針は正しい取り扱いや廃棄しよう!

今回は、医療用針を安全に廃棄する方法や、在宅で医療用針を廃棄する方法や、医療施設で医療用針を廃棄する方法を合わせてご紹介しました。

高齢化や在宅医療の推進によって在宅での医療行為が増えている今、医療用針の使用者は医療機関や薬局での回収処理、医療機関は感染性廃棄物処理マニュアルに則った適切な処理が必要です。

管理や廃棄方法について分からないことがあれば、かかりつけの医療機関や調剤薬局、専門業者へ相談しましょう。

※この記事に含まれる情報は公的機関の掲出物ではありません。お客様の責任でご利用ください。

記事の監修: 産廃のはてな編集部
「産業廃棄物に関する知識をもっと身近に!」をモットーに、産廃関連の疑問点や不明点を解決する情報メディア「産廃のはてな」でライターとして活動。3年以上におよぶブログ運営の情報を発信しています。