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【パリ協定を理解しよう!】パリ協定ってどんなもの?京都議定書と地球温暖化との関係は?

パリ協定ってどんなもの?京都議定書と地球温暖化との関係は?

あなたは、「パリ協定」についてどれくらい知っていますか?2017年6月に、当時の米大統領ドナルド・トランプ氏がパリ協定からの脱退表明を行い、話題になりました。
「パリ協定という言葉はよく聞くようになったけど、詳しい内容は知らない」「地球温暖化防止のための国際的な取り組みなのはしっているけど、詳しい内容はしらない」という方も多いのではないでしょうか。
そもそも、パリ協定ではどのようなことが決められ、参加国はどの様な取り組みを行なっているのでしょうか。また、似たようなものに京都議定書がありますが、どのような点で異なるのでしょうか。
この記事では、最近話題のパリ協定に関する基本情報を、京都議定書と地球温暖化に関連づけて紹介します。ぜひ最後まで読み進めていただき、パリ協定への理解を深めるきっかけにしてもらえればと思います。

【パリ協定を理解しよう!】パリ協定とは何か?

パリ協定とは何か?

一般的に、パリ協定は『2020年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組』とされています。この説明では、少々イメージが掴みづらいですね。そこで、パリ協定の長期目標を確認してみましょう。長期目標として採択されているのは、以下の2点です。

・『世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃低く、望ましくは1.5℃以下に抑えるよう努力する』

・『できる限り早く世界の温室効果ガス排出量の上昇をとめ、21世紀後半には温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量が釣り合った状態を実現する』

パリ協定の参加各国は、上記の長期目標実現に向けて独自の二酸化炭素排出量削減目標を掲げる義務を負います。『目標の達成』が義務ではなく、あくまでも『目標を掲げる』ことが義務です。
削減目標の達成度は、2023年以降5年ごとに専門家による評価が行われます。評価結果を踏まえて、必要に応じて新しい削減目標が設定され、5年後の評価向上に向けて取り組む、という仕組みです。
この仕組みにより、地球温暖化防止に向けた行動目標と指針が5年ごとに更新され、継続的な取り組みが行われます。

【パリ協定を理解しよう!】パリ協定の親にあたる「気候変動枠組条約」

パリ協定の親にあたる「気候変動枠組条約」

実は、パリ協定以前にも地球温暖化防止に関する国際的な取り組みは行われてきました。そのはじまりとなるのが、1992年に行われた地球サミット(国連環境開発会議)です。
地球サミットでは『気候変動枠組条約』、いわゆる地球温暖化防止条約がつくられました。パリ協定や、後述する京都議定書は、この気候変動枠組条約に基づいてつくられています。つまり、パリ協定の「親」にあたる条約です。
地球温暖化防止は、1990年代から世界的に議論されていたわけです。しかし、1990年代には地球温暖化についてわかっていることが少なかったため、気候変動枠組条約は概念的な内容でした。何を、いつまでに、どうしなければならない、という具体的なものではなかったのです。
そこで、より『具体的な行動目標や期限を決めよう!』ということで、1997年に京都議定書が採択されます。その後、2016年に発効するパリ協定は、京都議定書の後継となるもので、兄弟のような関係です。

次章では、パリ協定の兄弟である京都議定書がどんなものか確認してみましょう。

【パリ協定を理解しよう!】パリ協定の兄弟にあたる「京都議定書」

パリ協定の兄弟にあたる「京都議定書」

京都議定書は、1997年に京都市で開催された地球温暖化防止の国際会議で採択されました。どのような内容だったかというと、以下のような特徴がありました。

・2020年までの地球温暖化防止目標を決めた

・つよい法的拘束力があり、京都議定書で決められた約束は守る義務があった

・対象は当時の先進国(日本、アメリカ、ロシア、EU諸国など)

・温室効果ガスの排出量削減目標が達成できない場合、罰則が設けられた

京都議定書では『温室効果ガスを2008年から2012年の間(第一約束期)に、1990年比で約5%削減する』という目標を定めました。
当時の先進国は、温室効果ガス削減目標の達成を義務付けられます。達成できない場合は罰則を受ける決まりもありました。一方で、発展途上国には温室効果ガス排出削減の義務を求めず、罰則もありませんでした。先進国の間では不公平感が残り、不満を持つ国もありました。

京都議定書は、つよい法的拘束力を持つ反面で不公平な協定でもありました。この反省を活かして、パリ協定が採択されます。

次章では、パリ協定と京都議定書の違いについて理解を深めていきましょう。

【パリ協定を理解しよう!】パリ協定と京都議定書の違い

パリ協定と京都議定書の違い

京都議定書は、先進国に対してつよい法的拘束力や達成目標が設けられ、不公平感が残る内容でした。そこで、パリ協定は京都議定書の反省を活かし、『法的拘束力を撤廃』『発展途上国にも温室効果ガス排出削減目標を定めてもらう』内容になりました。
京都議定書は、2020年までの温暖化対策目標について、当時の先進国のみに対して温暖化対策を求める内容でした。対してパリ協定は、発展途上国を含めた国が対象です。2020年以降、二酸化炭素を多く排出する参加国に対して、削減目標を掲げるよう求める内容になっています。
パリ協定では、先進国だけでなく『世界各国で協力して温暖化対策に取り組もう!』という内容になり、一定の不公平感が取り除かれたのです。
また、法的拘束力も緩和されました。京都議定書では『削減目標の達成義務』がありましたが、パリ協定では『削減目標の提出までが義務』になっています。そのため、発展途上国も協力しやすい枠組となったわけですね。
そのかわり、『削減目標は5年ごとに達成度を評価し、必要に応じて見直すこと』になりました。

【パリ協定を理解しよう!】パリ協定の各国目標が達成されても2030年までに長期目標は達成されない!?

パリ協定の各国目標が達成されても2030年までに長期目標は達成されない!?

実は、パリ協定参加各国が現在掲げている目標を達成したとしても、世界の平均気温は約3.2℃上昇すると予測されています。パリ協定の長期目標は『世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃低く、望ましくは1.5℃以下に抑える努力をする』ことです。したがって、現在各国が掲げている削減目標では不十分ということになります。
しかし、パリ協定では削減目標を5年ごとに見直すことになっています。したがって、継続して二酸化炭素排出量削減に向けて取り組むことになります。パリ協定が京都議定書と比べて画期的なのは、この『継続性』にあります。一度、削減目標を達成できなくても新たな目標を設定して取り組む。これはつまり、到底達成不可能な目標を掲げて時間をやり過ごすことはできないことを意味します。
またパリ協定は、参加国であれば先進国と途上国を区別しません。あくまでも参加国が削減目標を設定し、達成に向けて取り組むことを要求します。現在は、2030年までの削減目標を掲げている国が多いです。しかし、地球温暖化対策は2030年以降も継続しなければなりません。パリ協定は、参加国が半永久的に地球温暖化防止に向けた取り組みを行うよう、考慮された協定といえるでしょう。

パリ協定を理解しよう!

いかがでしたでしょうか。パリ協定について、理解は深まったでしょうか。地球温暖化は、私たち一般市民にとっても全く無関係な問題ではありません。
パリ協定の参加国は、今後も継続して地球温暖化問題の解決に取り組んでいくでしょう。この記事が、地球温暖化問題に目を向け、理解を深めるきっかけになれば幸いです。

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記事の監修: 産廃のはてな編集部
「産業廃棄物に関する知識をもっと身近に!」をモットーに、産廃関連の疑問点や不明点を解決する情報メディア「産廃のはてな」でライターとして活動。3年以上におよぶブログ運営の情報を発信しています。