希少金属「レアメタル」という言葉を聞いたことはありますか?
日常生活ではあまり聞き慣れないかもしれませんが、レアメタルとは大変希少な金属類のことをいいます。
明確な定義はありませんが、産業として需要がある非鉄金属のうち地球上の埋蔵量が少量であるか、採掘と精錬に技術やコストが必要になるために流通や使用量少ない元素のことを指します。
31種類あり、産業としての利用価値があるために高額で取引されます。
流通量が大変少ない資源でありながら、ハイテク製品には欠かせない存在です。
現代社会に必要な物品にも多く使われており、今後の産業発展にこれまで以上の活用が見込まれます。
このレアメタルを少しでも多く確保するために私たちにもできることがあります。
対象の金属が含まれる電化製品などのリサイクルです。
私たちが積極的にリサイクルすることによりレアメタルの確保、さらには産業発展の貢献にもつながるといっても過言ではありません。
そこで、この記事ではレアメタルの重要性や、具体的なレアメタルのリサイクル方法や、レアメタルが使用されている物や、レアメタル(希少金属)とレアアース(希土類元素)について紹介します。
まずはレアメタルという資源について詳しく説明します。
身近な金属類といわれると金や銅を思い出す方が多いでしょう。
しかし、こうしたポピュラーなもの以外に地球上で採掘できる量が極端に少なかったり、技術的に取り出すことが難しい金属類がいくつも存在します。
その貴重な金属類のなかで安定した供給が必要なものをレアメタルと呼びます。31種類あります。
レアメタルは鉱石に含まれる量が大変少ない、高濃度に含まれており取り出しが非常に難しいなどの理由で確保が困難といわれます。
しかし、その一方で世界的に需要が高まっていることも事実です。
では、なぜ貴重なレアメタルの必要性が叫ばれているのでしょうか?
レアメタルは使用されている量が、微量でも電子機器の性能を飛躍的にアップさせます。
パソコンやスマホのバッテリーに使用されている、リチウムや液晶に使われるインジウムなどがあります。
ステンレスは鉄にクロムとニッケルを配合することで、錆びにくい鋼材として家庭の台所のシンクなどに使用されています。
こうしてみると私たちの身のまわりには、レアメタルが無くてはならないほどに浸透しています。
レアメタルは私たちの日常に溢れています。
例えば、今やほとんどの人が持っているスマートフォンです。
この電池に欠かせないのがリチウムというレアメタルです。
ノートパソコンのバッテリーにもリチウムが使われています。
さらに、交通手段として欠かせない自動車ですが、自動車触媒にはプラチナが必要です。
自動車触媒は排気ガスの有害物質を無害な水や酸素に変える役割を担います。何れにしても私たちの生活に欠かせないものです。
また、宇宙や航空の分野でもレアメタルは広く使用されています。
こうしたハイテク分野はこれからの産業発展に欠かせません。
こうした理由から、レアメタルは今後さらなる需要が見込まれる重要な資源といわれています。
レアアースとは、レアメタルの鉱種で元素の総称です。
2009年の時点で世界の産出量の97%が中国産で、一時期中国が輸出規制をかけたことでその存在が一気に知れ渡りました。
レアアースも私たちの生活には欠かせない物質です。
例としてパソコンやエアコンに使用される高性能モーターにはネオジム、ジスプロシウムが使用されています。
これ程までに必要性が叫ばれているレアメタルですが、先述したように大変希少な資源です。
なぜここまで貴重な存在といわれるのでしょうか?
鉱石の含有量が少ないことや技術的に取り出しが難しいこと以外にもいくつか理由があります。
まず、産出地域が大変偏っていることです。レアメタルのほとんどは、産出国上位3国だけで全体の80%以上を供給しています。
そのため、世界情勢が不安定になったり、対象国で何らかの問題が発生するとたちまち入手が難しくなります。
また、需要バランスの不安定さも理由に挙げられます。
新技術の開発に伴い、必要な資源がずっと同じとは限りません。
時期によって必要なレアメタルが変動するため、流通量も価格も不安定になってしまうのです。
このままでは必要なときに必要なレアメタルが手に入らないということが起きてしまうかもしれません。
しかし、レアメタルは私たちの生活に欠かせない存在です。そればかりか、今後の産業発展に大きく貢献する資源です。
ハイテク分野への直接的利用だけではなく、鉄や銅に混ぜて錆びにくくするためにも役立ちます。
そのため「レアメタルが入手できない」世界にしてはいけません。
そこでレアメタルを確保するための取り組みがいくつか始まっています。
レアメタルを確保するために具体的にどのような取り組みが実施されているのでしょうか?
昔からの取り組みの1つとしてはレアメタルの備蓄です。
1983年度から「レアメタル備蓄制度」が始まり、ニッケルやクロムなど7鉱種が茨城県にある倉庫で一元管理されています。
さらに2007年度からは文部科学省のもとで代替材料の開発が進んでいます。
経済産業省も「希少金属代替材料開発プロジェクト」と称し開発に参加し、国をあげてレアメタルの確保に努めています。
しかし、近年最も注目を浴びているのはリサイクルによるレアメタルの確保です。
スマートフォンやパソコンなどの電化製品には多くのレアメタルが含まれています。
不要になったそれらは「都市鉱山」と呼ばれるほどです。
しかし、残念なことにそのまま廃棄される電化製品がまだまだ多く存在します。
それを防ぐため、レアメタルのリサイクル技術の開発がどんどん進んでいます。
少しでも多くのレアメタルを確保するために、国は民間にも自治体にも不要な電化製品のリサイクル回収を求めています。
つまり、私たちが使い古した電化製品をリサイクルに出すことがレアメタルの確保につながります。
では具体的にどうすれば各電化製品をリサイクルできるのでしょうか?
まずはスマートフォンですが、ケータイショップへ持ち込みましょう。
回収料金はかからず、目の前でデータに取り出し不可の状態まで破壊してくれるので個人情報流出の心配もありません。
ショップがまとめて専門機関へと送ることでリサイクルへとつながります。
通常の受付カウンターで回収するため時期によっては待ち時間がかかるかもしれません。
また、破壊する際も1台ずつ手作業なので時間に余裕をみて持ち込みましょう。
次にパソコンです。これは購入したメーカーに引き取りを依頼しましょう。
費用については「PCリサイクルマーク」というシールが貼られている場合は無料で回収してもらえます。
指定の場所まで郵送する必要があり、回収が終わるまでの期間は1〜2週間程度です。
いずれのメーカーも自社製品のみ回収を受け付けているので、必ずメーカーを確認して問い合わせましょう。
データについては回収と同時に消去できる場合もありますが、不安な方は専用ソフトなどで事前にデータ消去することをおすすめします。
エアコンなどのその他家電製品は家電量販店で回収可能です。インターネットから事前に申請すれば自宅まで訪問してくれます。
直接店舗へ持ち込んでも問題ありません。
家電リサイクル法に基づき適切にリサイクルへとつなげます。
家電の種類によってリサイクル料金や運搬料金が変わるので事前に確認してから依頼しましょう。
いずれの製品でも気をつけたいのは、違法業者による回収です。
認可を受けずに電化製品を回収する業者が多く存在します。
万が一引き渡してしまうと不法投棄されたり高額な回収料金を請求されることがあります。
トラックや空き地で回収を行なっている業者を安易に信用せず、公式なメーカーや店舗への持ち込み依頼するのをオススメします。
適切な処理がレアメタルの確保に貢献するだけではなく、環境破壊の防止や法律違反から自身を守ることにもつながります。
希少でありながら需要の高いレアメタル。ハイテク製品の開発、そして今後の産業発展に欠かせない存在です。
そう聞くと私たちの生活からは少し離れた専門分野の資源のようにも感じます。
しかし、毎日使うものに多くレアメタルは使われています。
さらに不要になったそれらをリサイクルすることがレアメタルの確保へとつながるのです。
決して私たちに関係ない話ではありません。
積極的なリサイクルがレアメタルを救い、さらなる産業発展に役立ちます。
レアメタルはリサイクル技術が確立されているもの、目処が立たないものと様々ですが、リサイクル技術が確立されているものに関しては高値買取りのものもあります。
自社の生産ラインに使用されている機械や、製造原料にはどんな金属が使われているのか把握することで、廃棄物処分費用の経費削減になるかもしれません。
株式会社スリーエスでは金属くずの処分業の許可を取得していますので貴社の廃棄物処分費用軽減の御相談を承ります。
廃棄物処分費用軽減のご相談は
株式会社スリーエス
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