近年、台風や地震等による大規模災害が全国各地で毎年のように発生しています。都市部でも大雨による土砂崩れや洪水、河川の氾濫が発生し、宅地への土砂・瓦礫の堆積など甚大な被害が発生しています。特に、豪雨や台風による被害は甚大であり、今後も同様の災害が多数発生することが予想されます。
このような状況の中、宅地等に堆積した土砂・瓦礫の除去に携わる方々が、今後同様の災害が発生した際に、除去のポイントを速やかに把握し、スムーズに「土砂除去事業」を活用できるよう、「土砂除去事業」を活用した自治体へのヒアリングをもとに、自治体の疑問点をまとめました。
市街地に堆積した土砂や瓦礫の除去方法についての理解を深め、被災地の早期復興に貢献する一助となることを期待しています。
まずは、事前に災害を想定し、想定した上で方針を決めることが重要です。
・被害状況の把握(情報収集)
・担当部署の決定
・堆積した土砂の除去方針の決定
・仮置き場の選定と確保
・各省庁の仕事の整理
・住民への情報提供手段
・委託業者の確保
・契約方法(協定)
被災者に対して、土砂除去の基本方針を示すことが重要です。
航空写真、住民からの報告、職員巡回、地元事務所からの提供情報など、複数の方法を確保することで、迅速に情報収集が行えます。
航空写真、住民からの報告、職員による現地調査など、複数の方法を活用します。
住民からの報告、職員巡回。
住民からの要請を受け、職員が調査を行い、集積状況を把握します。
国土地理院が被災後に撮影した航空写真や、市民センターなどの地元事務所からの提供情報を活用します。
担当部署をあらかじめ決めておくことで、初動対応を迅速に行うことができます。また、ある時点から住民からの要望が急激に増えるため、事前に人員の増加を見込んでおく必要があります。
また、土砂・瓦礫等の撤去を担当する専門部署を新設する必要があります。
民有地土砂除去の基本方針をあらかじめ策定し、現場の状況に応じて柔軟に見直していくことが重要です。
・民有地土砂除去基本方針を策定した。
・震災後に「宅地流入堆積土砂処理基本方針」を発表します。
・関係者向けの社内説明会を開催し、現地調査チームの業務フローや三原市の対応方針、受付フォームなどを説明し、その後、現地対応に関する質問が多く寄せられたら、方針や判断基準を2度見直します。
・事業は「二次災害の危険や衛生上の問題など、公益上必要」と判断されたものに適用されます。
地域防災計画等において、処分場や仮置き場(仮置き場の役割(積み替え、仕分け)や立地)を明確にしておくことが重要です。
候補地の選定にあたっては、立地条件、前面道路の幅員、所有者、面積、土地利用、運搬経路等を考慮する必要があります。
・仮置き場や処分場の候補地は、地域防災計画において「災害廃棄物や土砂の処理体制の確立」としてあらかじめ選定します。
・災害土砂は最終処分せざるを得ず、近くの民間処分場で仮置き土の状態を確認し受け入れます。
・台風の予報が出次第、最悪の事態に備えて東日本大震災で利用した仮置き場を候補地として選定します。
国土交通省、環境省、林野庁など、関連する事業が複数あるため、それぞれの事業がどこで実施できるかを確認し、どの事業でどのエリアを効率的に実施できるかを判断する必要があります。
・瓦礫が混在する住宅地については、現場で土を分別し、土砂は土砂除去事業で、瓦礫は災害廃棄物処理事業(環境省)で処理します。 (土中に家屋が埋もれ現地での分別が困難な地域では、ほぼ全て公費で解体されます(環境省)。
・発生現場で土と瓦礫を分別できるため、事前に分別し、土は国土交通省事業、瓦礫は環境省事業で処理します。
・国土交通省の土砂除去事業、林野庁の災害関連緊急森林保全事業、環境省の災害廃棄物処理事業で作業を行うこととし、二重採択を防止するため関係機関間で協定を締結します。
H3自治体は民有地の土壌撤去を決定し、どのように実施すればよいか。
苦情や手戻りを避けるために、申請者、請負業者、自治体の三者協議や申請者と自治体の双方向協議など、被害状況や人員体制に応じて適切な方法を決定する必要があります。また、被災地に申請窓口を設け、迅速に対応できる体制づくりも検討する必要があります。
・土壌撤去作業を開始する前に、事業申請者、請負業者、町の三者が現地で面会し、作業範囲の確認や手戻りや苦情の回避を図ります。
・呉市天王地区では、市民センターが避難所や地域の拠点となり、住宅地の土壌撤去に関する情報収集などに対応。
・市は土嚢を配布し、住宅前の道路を集積場所に指定し、住民やボランティアが置いた土嚢や土壌を市が撤去します。
ボランティアとの仕事の分担は、二次災害のリスクや作業の難易度(手作業でできるかどうか)などを考慮して検討します。
原則として、自力での撤去が難しい大規模なものは直接撤去し、小規模で簡単なものはボランティア事務所と連携して作業を分担します。
二次災害のリスクがない、または衛生など公益上必要がないと判断された場合、家屋の解体が決まっている場合は災害廃棄物処理事業を実施するが、家屋の解体予定がない場合の土壌撤去についてはボランティアの活用を検討しました。
連携が必要な場合は、ボランティアセンターに連絡して対応してもらうこと。
家屋の周囲(屋外)の土壌は自衛隊と住民で大部分撤去できたため、主に家屋の内部(床下など)の土壌撤去を依頼します。
主な事例県庁で連日開催されている「関係者会議」では、災害NGO結、県社会福祉協議会、市社会福祉協議会との調整や、現場での個別調整が行われます。
宅地内流木混じり土砂⇒運搬分別⇒処分(土砂、流木)
⇒国交省都市局堆積土砂排除事業
宅地内瓦礫流木混じり土砂⇒運搬分別⇒処分(瓦礫、土砂、流木)
⇒環境省災害等廃棄物処理事業
瓦礫が混入すると国交省から環境省に移管するのでその運搬分別や内容、プロセスをよく理解することが重要です。
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