産廃・不用品の処分についての疑問にお答えします!

【特別管理産業廃棄物の特徴】特別管理産業廃棄物と一般廃棄物の違い

特別管理廃棄物と一般廃棄物の違いをご紹介。取扱い時の注意点とは?

特別管理産業廃棄物と一般廃棄物の違いについて、疑問をお持ちですか?

廃棄物の特徴や取扱いについての理解は、適正処理のために重要です。

今回は、特別管理産業廃棄物と一般廃棄物の特徴や違いについてご紹介します。

ぜひ最後まで読み進めていただき、廃棄物の適正処理にお役立てください。

特別管理産業廃棄物の4つの特徴を知ろう!

特別管理廃棄物の4つの特徴を知ろう!

特別管理産業廃棄物の特徴を紹介します。

一般廃棄物と異なり、処理を進めるにあたって以下の4つの特徴に注意が必要です。

  • 爆発性
  • 毒性
  • 感染性
  • その他、人体もしくは環境に対する悪影響

上記4つの特徴を持つ廃棄物は、特別管理産業廃棄物に該当する可能性があります。

このような廃棄物は、作業従事者や周辺環境に悪影響が及ばないよう処理を進めなければなりません。

また、作業従事者と周辺環境の安全安心を守るためにも、廃棄物の特徴を正しく理解することが不可欠です。

適正処理の第一歩は、廃棄物について正しく理解。それぞれ、詳しく見てみましょう。

【特別管理産業廃棄物】爆発性

廃棄物が爆発性を有する場合、火気や温度変化、静電気といった急激な状態変化により爆発する可能性があります。

処理および保管場所を火気厳禁とし、温度変化が少ない環境を整える、などの整備が必要です。

【特別管理産業廃棄物】毒性

廃棄物が毒性を有する場合、直接接触による人体の健康被害、周辺環境への毒性物質漏出を起こす可能性があります。

処理作業者は、防護服等を着用し、廃棄物と直接接触しないことが必須です。

また、毒性物質が周辺環境へ流出しないよう、排気や排水設備を整える必要があります。

【特別管理産業廃棄物】感染性

廃棄物に感染性の細菌やウイルスが付着している場合、処理作業者が健康被害を受ける可能性があります。

健康被害予防のために、作業者は防護服等の着用を徹底することが必須です。

また、作業者以外の人的被害防止のためにも、排気や排水設備を整えて処理を進める必要があります。

【特別管理産業廃棄物】その他、人体もしくは環境に対する悪影響

爆発性、毒性、感染性以外にも、人体や環境に悪影響を与える可能性を持つ廃棄物も、取扱いに注意して処理にあたる必要があります。

  • 健康被害を受ける可能性がある場合は防護服等の保護具着用を徹底
  • 周辺環境に悪影響を与える恐れがある場合は排気および排水設備を整備して流出を予防

この2点を基本として廃棄物を取扱いましょう。

特別管理産業廃棄物の2つの区分

特別管理産業廃棄物の2つの区分

特別管理廃棄物には、「特別管理一般廃棄物」と「特別管理産業廃棄物」の2つの区分があります。

事業活動に伴って排出されるものを特別管理産業廃棄物、それ以外を特別管理一般廃棄物として区分します。

基本的には、特別管理ではない廃棄物と同様の区分のしかたです。

少しわかりにくいですが、事業所から発生する廃棄物でも、紙くずや残飯などは一般廃棄物に該当し「事業系一般廃棄物」と呼ばれます。

一般廃棄物と産業廃棄物の区別は、特別管理廃棄物の取扱いにおいても重要な事項です。

区分があいまいなままで処理を進めることがないように区別しましょう。

【参考】日本産業廃棄物処理振興センター「産業廃棄物と一般廃棄物」

【特別管理一般廃棄物】5つの区分の特徴

【特別管理一般廃棄物】5つの区分の特徴

特別管理一般廃棄物には、以下の5つの区分があります。具体例とあわせて紹介していきます。

【特別管理一般廃棄物】PCB使用部品

廃エアコン、廃テレビ、廃電子レンジ等に含まれるPCBを使用した部品。PCBは電気部品であるトランス(変圧器)やコンデンサ(蓄電器)にかつて多く使用されていました。

現在は、新たな製造が禁止されていますが、昭和47年以前に製造された家電や機械に組み込まれている可能性があります。

※PCBとはポリ塩化ビフェニルのことで、油に溶けやすい性質があります。

PCBが混入した油を経口摂取すると、さまざまな中毒症状が起こります。

【特別管理一般廃棄物】廃水銀

水銀を使用した一般製品がゴミとして廃棄され、廃棄製品から回収された水銀を指す。

水銀は蛍光ランプやボタン型電池に使用されており、ゴミとして廃棄されると廃水銀が排出されます。

【特別管理一般廃棄物】ばいじん

ここでいう「ばいじん」は、ゴミ処理施設の集じん施設で回収されたもののみを指し、ダイオキシン類を含まないものに限定されます。

したがって、ゴミ処理施設でしか発生しません。

【特別管理一般廃棄物】ばいじん、燃え殻、汚泥

ここでいう「ばいじん、燃え殻」は、ダイオキシン特措法の特定施設となっている廃棄物焼却炉から生じたものを指します。

ダイオキシン類を3ng/g以上含有するもので、汚泥についても同様です。したがって、廃棄物焼却炉からのみ排出されます。

【特別管理一般廃棄物】感染性一般廃棄物

医療機関等から排出される事業系一般廃棄物のなかでも、感染性病原体が含まれる、若しくは付着している可能性があるものを指す。

具体的なものとして、医療機関等から排出される紙くずや布くずなどがある。

【特別管理産業廃棄物】5つの区分の特徴

【特別管理産業廃棄物】5つの区分の特徴

特別管理産業廃棄物にも、以下の5つの区分があります。

【特別管理産業廃棄物】廃油

揮発油類、灯油類、軽油類からなる廃油を指す。

【特別管理産業廃棄物】廃酸

著しい腐食性を有するpH2.0以下の廃酸を指す。

【特別管理産業廃棄物】廃アルカリ

著しい腐食性を有するpH12.5以上の廃アルカリを指す。

【特別管理産業廃棄物】感染性産業廃棄物

医療機関等から排出される産業廃棄物で、感染性病原体が含まれる、若しくは付着しているおそれがあるものを指す。

【特別管理産業廃棄物】特定有害産業廃棄物

廃PCB等、PCB汚染物、廃水銀などを指す。

特別管理産業廃棄物は大区分こそ5つですが、区分の1つである「特定有害産業廃棄物」に関しては、さらに細かい区分があります。

構成している廃棄物の種類はPCB、廃水銀、汚泥、ばいじんといったもので、特別管理一般廃棄物で挙がっている廃棄物と大きな差はありません。

一方で、「事業活動に伴って排出される廃棄物」という性格を持っているため、管理責任がより明確化されている特徴があります。

詳細な情報については、下記の環境省サイトなどで確認いただければと思います。

【参考】環境省『特別管理廃棄物規制の概要』

特別管理産業廃棄物と一般廃棄物の違い

特別管理産業廃棄物と一般廃棄物の違い

特別管理廃棄物と一般廃棄物の違いは「特別管理廃棄物が持つ4つの特徴」で紹介したポイントがあり、取扱いを注意するポイントでもあります。

また、法律上の取扱い区分が異なる、という点も留意しておくようにしましょう。

ご存知かと思いますが、処理業許可を持たない事業者が特別管理廃棄物を誤って処理してしまうと、法的に罰せられます。

罰則が設けられているのは、不適切な処理を防止する目的があるためです。

この点は、一般廃棄物処理業の許可で産業廃棄物処理は行えないことと同様ですので、改めて注意するようにしましょう。

特別管理産業廃棄物のまとめ

今回は、特別管理産業廃棄物と一般廃棄物の特徴や違いについてご紹介しました。

廃棄物の適正処理は、法令区分の理解、廃棄物そのものについての理解が不可欠です。

これから新たに特別管理廃棄物の処理を業として実施しようとしている、特別管理廃棄物を処理しているが改めて基礎知識を確認したい、という方にお役に立ていただければ幸いです。

廃棄物のご相談はスリーエスにおまかせください!

廃棄物についてお悩みやご不明点があれば遠慮なくご相談ください。
0773-25-9777(受付時間:9:00~17:00)

廃棄物に関するご相談・ご依頼はスリーエスまで!

※この記事に含まれる情報は公的機関の掲出物ではありません。お客様の責任でご利用ください。

記事の監修: 産廃のはてな編集部
「産業廃棄物に関する知識をもっと身近に!」をモットーに、産廃関連の疑問点や不明点を解決する情報メディア「産廃のはてな」でライターとして活動。3年以上におよぶブログ運営の情報を発信しています。