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【ALCの処分方法】ALCとは?処分方法をご紹介

ALCとは?処分方法をご紹介

建築現場でよく使用される建築資材にALCがあります。現場でのお仕事をされている方であればよく耳にする建材でしょう。
この記事ではALCとは何か、その処分方法についてご紹介します。事業をしているなかで発生した廃棄物の多くは簡単に捨てられません。ALCの処分方法をよく知り、正しい方法で処分をしましょう。ALCの処分を依頼するときの流れについてもご紹介しますのでぜひ参考にしてください。

【ALCの処分方法】ALCとは?

ALCとは?

ALCとは「Autoclaved Lightweight Concrete」の略称です。これを直訳すると「圧力処理済み軽量気泡コンクリート」で頭文字をとってALCと呼ばれています。スウェーデンで生まれた建材で、ヨーロッパから世界各地に広がり、1962年に日本に渡ってきました。セメントのペーストに発泡剤を加えて製造されており、コンクリートと似ていますが異なる建材です。
主な成分は生石灰とセメント、珪石で特徴はその軽さと強度です。不燃性の物質からできているため、耐火性に優れており、万が一火災が発生したときでも有害な物質を出しません。また、調湿効果も備えているため、四季がある日本の気候に合っている材質だと言えます。そのうえ軽いので現場での作業の負担も少なく、コストを抑えられます。

【ALCの処分方法】ALCの用途とは?

ALCの用途とは?

先ほどもご紹介したようにALCは耐火性、調湿効果、軽量など優れた建材のため主に中高層建物の建設時に使用されます。高層マンションの廊下や外壁、バルコニーなどです。他にもショッピングセンターや倉庫など比較的大きな建物に使用されているケースが多いです。
外壁でよく使用される建材にサイディングがありますが、あえてALCを選択するケースもあります。耐火性に優れている点はご紹介しましたが、ALCは耐震性にも優れています。軽い材質のため地震の際の揺れの影響を小さくできます。サイディング自体も耐震性に優れていますが、ALCはそれを上回る建材ですので地震に強い建物を建設したいと考えている方に選ばれています。

外壁に使用されるALCパネルは薄型と厚型の2種類があります。薄型は35mm以上75mm未満の小さなタイプのパネルで戸建て住宅によく使用されます。一方で厚型は厚さ75mm以上のもので高層マンションなどの耐火建造物に利用されます。

【ALCの処分方法】ALC処分の流れについて

ALC処分の流れについて

ALCは建物の外壁等に使用されるケースが多いため、解体の現場で廃棄物として発生します。産業廃棄物として処理されなければならず、一般のゴミと一緒にはできません。
産業廃棄物はすべてのゴミ業者が対応できるわけではなく、産業廃棄物処理業として都道府県から許可を得ている事業者でなければ処分できないとされています。許可を受けている事業者は産業廃棄物という法律に沿って処分を進めなければならないです。
生産する段階で発生するALCはガラスくずやコンクリートくずのなかの陶磁器くず、そしてALCと分類されます。一方で建築現場から発生したALCに関してはがれき類に分類されます。また、ALCは処理するうえで生活環境上支障をおよぼすおそれが少ないと考えられており、「安定型産業廃棄物」に該当します。ちなみに同じ安定型産業廃棄物にはゴムくずや金属くずも含まれています。

ALCの処理の流れは発生した状況によって異なります。新築の建物を建設する現場で発生したALCの端材は広域認定制度に基づいてリサイクルが可能となります。
一戸建てなどの建設現場ではALC施工図面をもとに建設会社がALCメーカーに発注します。施工図面をもとに製造しますがその際に端材が発生します。この端材は建設会社が責任をもって分別し、ALCメーカーへと再生原料として運びます。このように建設現場では、数%の端材が発生しますので、それらは再生原料としてリサイクルされ、また建設現場に運ばれるというサイクルで回っています。
一方で建物の解体で発生したALCの廃材は中間処理場もしくは最終処分場に運ばれ処分されます。このとき、ALCメーカーに依頼するのではなく、産業廃棄物処理業者に依頼します。

【ALCの処分方法】ALC処分を依頼するなら?

ALC処分を依頼するなら?

先ほども述べたようにALCの処分は状況に合わせて変更します。
広域認定制度を利用してリサイクルする場合はALCメーカーに依頼します。ALCメーカーは広域認定制度を取得しているメーカーでなければなりません。そして建設会社と契約を締結し、取引を行います。回収した端材を原料として新たなALCを製造します。
一方で産業廃棄物として処理する場合は、廃棄物処理業者に依頼します。このとき、廃棄物を排出した側はマニフェストを廃棄物処理業者に交付します。目的は、発生した廃棄物が適正に処理されたかどうかを排出した側が責任を持って確認をすることです。マニフェストとは、複写式伝票のことで廃棄物の種類や数量などを記載しているものです。このマニフェストを回収の際に交付し、処分が終わった後に複写分を受け取ります。廃棄物がきちんと処理されているか、明確に把握できるよう管理するシステムとしてマニフェスト制度が用いられています。

【ALCの処分方法】ALCのリサイクルについて

ALCのリサイクルについて

ALCを使用した建設は40年以上続いています。そのため、すでに建設されている建物の中にもALCを使用した建物が多くあり、今後老朽化を理由に解体され再築されることも想定されています。
新築現場で発生するALCに関しては広域認定制度でリサイクルが進められていますが、解体現場で発生するALCに関してはリサイクルが進んでいません。解体時に回収されたALCパネルは異物の混入が多く、ALCの再生原料として取り扱うことはできません。しかし、セメントの副原料として利用できないかと考えられています。
ALC工場で発生した端材のリサイクル、新築現場で発生した端材のリサイクル、そして解体現場から発生した廃棄物のセメント副原料としてのリサイクル。これらのリサイクルを今後も進めていく必要があります。

ALCのリサイクルを理解しよう!

ALCは「Autoclaved Lightweight Concrete」の略称で、圧力処理済み軽量気泡コンクリートです。特徴としては軽量で、耐火性、耐震性に優れており調湿効果のある建材です。そのため、一戸建て住宅だけはなく、中高層建物の建設に使用されています。新築現場で発生したALCに関してはALCメーカーにより回収され、再生原料としてリサイクルされます。解体現場で発生したALCに関しては産業廃棄物として取り扱われ、廃棄物回収業者により回収されます。状況に合わせて処理を委託する業者を選択しましょう。

株式会社スリーエスでは、廃棄物収集運搬業を主体にビルメンテナンス、産業廃棄物中間処理、リサイクルなど「環境」をキーワードに事業展開し、地域環境と地域福祉に配慮し快適な空間作りや地域社会への貢献を目指しております。
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記事の監修: 産廃のはてな編集部
「産業廃棄物に関する知識をもっと身近に!」をモットーに、産廃関連の疑問点や不明点を解決する情報メディア「産廃のはてな」でライターとして活動。3年以上におよぶブログ運営の情報を発信しています。