スマートフォンは今や生活に欠かせないものとなっています。総務省の調査によると、日本では9割以上の世帯が携帯電話を所有しており、多くの人が日常的にスマートフォンを使用しています。
外出先でも安全にスマートフォンを使用するために、モバイルバッテリーを持ち歩いている人も多いでしょう。
しかし近年、モバイルバッテリーから発火や発煙する事故が増えています。実際の事故報告を見て、少し不安に感じている方もいるかもしれません。
この記事では、モバイルバッテリーの発火の原因と安全な使用のポイントを分かりやすく解説します。
【モバイルバッテリーはなぜ発火したり発煙したりするのでしょうか?】
モバイルバッテリーは、使い方や取り扱い方を理解していれば安全です。しかし、リチウムイオン電池を使用しているため、取り扱いを誤ると発煙や発火につながる可能性があります。
ニュースで報じられる事故の多くは、この電池の特性に起因しています。
特に注意が必要なのは、低品質製品、経年劣化した製品、高温・低温などの環境変化、落下や加圧による損傷です。これらの要因が重なると、発煙や発火のリスクが高まります。
以下では、それぞれの原因について詳しく説明します。
■モバイルバッテリーは安全ですか?
モバイルバッテリーの発火原因の一つは、品質の低さです。安価な製品には、必要な保護機能が不足していたり、低品質のリチウムイオン電池(セル)が搭載されている場合があります。
セルが劣化すると、発熱とガスが発生し、膨張して発火するリスクが高まります。
長期間使用しているバッテリーにも注意が必要です。充電時間が以前より長くなったり、異音や異臭がするようになったら、交換のサインです。安全のため、異常に気付いたら使用を中止してください。
■温度変化はバッテリーの劣化を引き起こします
モバイルバッテリーは、高温と低温の両方に敏感です。
真夏の車内や暖房器具の近くだけでなく、冬の寒い時期も劣化が加速します。
急激な温度変化による結露は、ショートを引き起こす危険性もあります。浴室やキッチンなどの湿気の多い場所での使用は避けてください。水分や湿気がバッテリー内部に入り込み、予期せぬトラブルを引き起こす可能性があります。
【落下や圧力による内部損傷】
モバイルバッテリーは精密機器であるため、落下や強い圧力による内部損傷はショートの原因となる可能性があります。
圧力による表面のへこみ、床への落下、硬い物への衝突など、異常な変化に気付いた場合は、直ちに使用を中止してください。
好奇心からモバイルバッテリーを分解することも非常に危険です。誤って内部のバッテリーを損傷すると、直ちに発煙や発火につながる可能性があります。
■火災発生時の対処方法
モバイルバッテリーから発火や煙が発生した場合は、落ち着いて身の安全を最優先にしてください。煙には有害物質が含まれているため、吸入しないようにご注意ください。
東京消防庁によると、火花が収まったら、消火器や大量の水で火を消し、すぐに119番通報することが推奨されています。
膨張した電池を金属製の容器に保管すると、延焼を防ぐのに役立つ場合がありますが、最も重要なのは「発火を避ける」ことです。
【安全に使うためのポイント】
■ 高品質なバッテリーを選ぶ
事故を防ぐ第一歩は、「信頼できる製品を選ぶ」ことです。購入時には、以下の点を確認してください。
• PSEマークは付いていますか?
• 過充電、過放電、温度保護などの安全機能が搭載されていますか?
• 連絡先や保証書は記載されていますか?
• 新品ですか?
特に「PSEマーク」は、日本の安全基準を満たしている製品であることの証です。中古品や過度に安価な製品は避け、品質が検証された新品を選ぶことをお勧めします。信頼できるメーカーのモバイルバッテリーなら、安心して長くお使いいただけます。
■ 取扱説明書を必ず確認する
安全にお使いいただくために、取扱説明書をよくお読みください。
動作温度範囲や湿気を避けるための注意事項などは、実は火災予防にも重要な情報です。落下や衝撃を避ける、子供やペットの手の届かない場所に保管するといった注意事項は、上記で述べた発火や発煙の原因と関連しています。
製品によって注意事項が異なるため、バッテリーの取扱説明書を必ずご確認ください。
【モバイルバッテリーの火災リスクを軽減するための正しい使用方法】
モバイルバッテリーの火災は、軽微な誤用や環境要因によって発生する可能性のある一般的な問題です。しかし、いくつかの重要なポイントを念頭に置くことで、事故のリスクを大幅に軽減できます。
■充電中および使用中の熱に注意
モバイルバッテリーを使用する際に最も注意すべきことは、充電中および使用中の熱です。長時間の過充電や高温状態での使用は、内部温度が上昇し、バッテリーに負担をかける可能性があります。就寝中の充電や、毛布の上など熱がこもりやすい場所での使用は避けてください。
また、仕様に適合した純正ケーブルとアダプターを使用することも重要です。不適切な充電器を使用したり、互換性のない急速充電機能を誤って使用すると、バッテリー本来の設計を超える電流が流れ、バッテリー内部が異常に発熱する可能性があります。
■モバイルバッテリーの保管および持ち運び時に避けるべき危険な環境
モバイルバッテリーの安全性は、持ち運び場所と方法に大きく左右されます。特に暑い季節には、直射日光の当たる場所や車内に長時間放置しないことが重要です。バッグの奥深くに収納していても、風通しの悪い場所では熱がこもりやすいので注意してください。
また、バッテリーを金属と一緒に保管すると、端子同士が接触してショートする可能性があります。専用のポーチや布製バッグなどに入れて持ち運ぶ方が安全です。クッション材を使った耐衝撃ケースを使用することで、落下や傷による内部の損傷を防ぐこともできます。
【バッテリーの劣化の兆候を見逃さず、早めに交換しましょう】
モバイルバッテリーは消耗品であり、使用期間が長くなるほど内部の化学反応が進み、劣化していきます。膨張、異臭、異常な発熱、充電時間の大幅な変化に気付いた場合は、直ちに使用を中止してください。
外装のわずかな膨張や接触時の熱さは、火災の兆候である可能性があります。目に見える変化を見逃さず、速やかに交換することで事故を防ぐことができます。
異常を感じたら、すぐに使用を中止してください。特にモバイルバッテリーは、300~500回の充電サイクルで寿命を迎えることが多く、充電困難、過熱、膨張などの兆候が現れます。
発煙、発火、爆発といった事態になってからでは遅いので、これらの点には十分注意してください。
■耐火設計のモバイルバッテリーを選ぶ
モバイルバッテリーを選ぶ際は、まず「安全設計」に注目しましょう。前述のPSEマーク(電気用品安全法適合)は基本条件ですが、過充電やショートを防ぐための強力な保護回路を備えていることも重要です。温度センサーや自動電源オフ機能を搭載したモデルは、異常発熱時に機器を安全に制御できます。
また、筐体(外装)の放熱設計や素材の強度も見逃せません。耐熱ABS樹脂やアルミニウム製のボディは熱がこもりにくく、火災のリスクをさらに低減します。このように、安全機構が確実な製品を選ぶことが、火災トラブルを回避するための最も現実的かつ効果的な方法です。
【火災リスクを低減するために、バッテリー材料に注意すること】
バッテリー内部に使用されているバッテリー材料にも注意が必要です。従来の液状リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度の高さが魅力的ですが、熱暴走を起こしやすいという欠点があります。この問題に対処するため、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)バッテリーや準固体バッテリーなど、より可燃性が低く化学構造が安定したバッテリーが普及しつつあります。
近年、次世代材料としてナトリウムイオンバッテリーが注目されています。ナトリウムはリチウムよりも反応性が低く、熱暴走を起こしにくいと言われています。さらに、ナトリウムは資源が豊富で環境負荷が低いため、将来的には安全性と持続可能性を両立できると期待されています。
<まとめ>
最後に【まとめ|モバイルバッテリーの危険性と原因を知ること】
モバイルバッテリーはスマートフォンをサポートする便利な機器ですが、不適切な使用方法は発火や発煙などの事故につながる可能性があります。
主な原因は、品質の低さ、温度、衝撃・圧力の3つです。だからこそ、バッテリーを選ぶ際には安全性を最優先に考え、正しく取り扱うことが重要です。
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